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推薦論文

第142回DPS研究会推薦論文(2010.03)

記事の分類: 

(1)
題目: 電子トリアージシステムにおけるモバイルノード利用型RSSI位置推定方式
著者: 山田 純弥,竹中 友哉,峰野 博史,水野 忠則(静岡大)
理由:
本論文は,電子トリアージシステムにおいて傷病者の位置を特定するために,モバイルノード利用型RSSI位置推定方式を提案し,シミュレーションおよび実環境実験を通じて評価を行った結果について述べたものである.
本提案方式は,直接通信できないノード間の測距を,軽傷の傷病者や医療従事者をモバイルノードとして利用したマルチホップ通信により実現しいる点がユニークであり,高い新規性が認められる.
また,シミュレーションと実環境実験を実施しており,多様な観点から本手法の有効性を示している点が評価できる.
以上より本論文は推薦に値する.

(2)
題目: 無線電波強度による存在確率の地理的分布に基づくユーザ位置推定手法
著者: 藤原 謙太郎,寺西 裕一(阪大),秋山 豊和(京都産業大),春本 要(阪大),竹内 亨(情報通信研究機構),西尾 章治郎(阪大)
理由:
本論文では,無線の電波強度を基に求めた端末の存在確率分布を伝播させ,端末の位置座標及び存在領域を精度良く推定する手法を提案している.
位置情報配信源となる基地局が疎な状況でも位置情報の精度を確保する手法として,存在確率分布の伝搬に着眼した点がユニークであり,高い新規性が認められる.
シミュレーションによる精度評価でも,従来手法に比べ明確な優位性が示されており,また,位置座標推定に加えて,提案手法の自然な応用として領域判定の高精度化が期待されるなど適用範囲も広く,高い有用性が認められる.
以上より本論文は推薦に値する.

第141回DPS研究会推薦論文(2009.11)

記事の分類: 

題目:自律的無線ネットワークを用いた被災情報提供システム -被災地域の地形を考慮した無線ノード置局アルゴリズムの提案‐
著者:大瀧龍(山口大),重安哲也(広島国際大),浦上美佐子(大島商船高専),松野浩嗣(山口大)
理由:
本論文は,避難所間無線ネットワークを構築する範囲の決定方法と地域特性に柔軟に対応できるアルゴリズムの検討を行った結果について述べたものである.
これまで,災害発生時の既設インフラ回復するまでの一時的な通信網として避難所間無線ネットワークを構築することが多く研究されてきたが,ネットワークを構築する範囲や個々の地域特性の違いへの対応はこれまでに十分検討されていなかった.
本論文では,被災地の地域特性に柔軟に対応できるアルゴリズムの検討を行った上で,実際に特定の都市における,提案手法の適用を試みており,その手法の適用 可能性が評価できる.
以上より本論文は推薦に値する.

DPSワークショップ2009推薦論文(2009.10)

記事の分類: 

(1)
タイトル:アクルーアル型故障検出器ACCMOSの実装と評価
著者:林原尚浩(京都産業大)
○ 推薦理由
本論文では,小規模なシステム管理のためのモニタリングシステムの開発を目的に,
アクルーアル型故障検出器ACCMOSを実装し,無線ネットワーク環境においてその性能評価を行っている.
提案手法は,監視対象ノードのsuspicionlevelを連続的な値として提供可能であることに特徴があり,
ユーザビリティが高く制度の高いシステムの実現が期待される.以上より本論文は推薦に値する.

(2)
タイトル:MANETを用いたワンセグ難視聴端末救済手法の性能評価
著者:布川雄大, 孫為華, 安本慶一, 伊藤実(奈良先端大)
○ 推薦理由
本論文は,ワンセグ放送の電波受信品質の良い端末から悪い端末に対して無線マルチホップ通信により
データ中継を行うことで視聴品質を向上させ,難視聴エリアの端末を救済する方式を提案している.
受信品質の高いノードを知る方法とそのノードまでの経路探索方法をヒューリスティックな分散アルゴリズムとして提案し,
シミュレーションにより様々な環境モデルにおいてその有効性が示されている.
提案手法は,インフラに依存せずに難視聴エリアを救済する手法であり,
シミュレーション実験により有効性も示されていることから推薦に値する.

(3)
タイトル:交差点映像の協調撮影と共有を目的とした車車間通信プロトコル
著者:小谷和也, 孫為華(奈良先端大), 木谷友哉(静岡大), 柴田直樹(滋賀大), 安本慶一, 伊藤実(奈良先端大)
○ 推薦理由
本論文は,交差点付近にいる複数の車両が車載カメラで撮影した交差点映像を,
リアルタイムに車車間通信を用いて交換し,各車両で鳥瞰映像を作成する手法を提案している.
特に,ドライバにリアルタイムで高品質な映像配信を行うための送信車両選定手法を提案し,
シミュレーションによりその有効性が示されている.
提案手法はインフラなしに交差点内の状況把握を可能とする方式であり,
高度交通システム技術への適用が期待できることから推薦に値する.

第140回DPS研究会推薦論文(2009.9)

記事の分類: 

題目:片方向リンクを含むMANETにおけるマルチキャスト配送経路検出手法
著者:鈴木 和久, 桧垣 博章(東京電機大学)
理由:
本論文は,MANETにおいてマルチキャスト配送木を構成する際,双方向リンクのみならず,
片方向リンクを含む場合にも機能するようにLBSRを拡張した.
また,シミュレーションによる評価により従来方式より低いオーバーヘッドで配送木を構成することを示した.
既存研究からの自然な発展であり,丁寧に評価されており,有用性は高いと考えられる.
よって,本論文は推薦論文に値すると考えられる.

第139回DPS研究会推薦論文(2009.6)

記事の分類: 

(1)
題目:遅延状況を考慮した構造型P2Pオーバレイネットワーク構築法
著者:木谷 友哉(静岡大), 中村 嘉隆(奈良先端大)
理由:
本論文は,P2P サービスにおけるノードの位置を検索するためのデータ構造を
提案している.提案されているデータ構造は,空間充填曲線の一種であり,筆
者らが従来より提案している HCRN(Hierarchical Chordal Ring 
Network)を基に考案されたものである.(1)ノードの2次元座標位置からグレ
イコードの排他的論理和を用いてノードIDを容易に計算できる,(2)地理的に
近接するノードIDが空間内で必ず近接配置される,(3)スケーラビリティを持
たせるため階層的な構造を実現し易い,という特徴を持ち,従来手法と比較し
て,(1)地理的位置情報から容易にノードIDに変換可能なこと,(2)範囲検索を
高性能に実行可能なこと,(3)ノードの分布に地理的な偏りがあるときにも柔
軟に対応できること,をシミュレーションにより示している.提案手法の有効
性は明白であり,推薦に値する.

第138回DPS研究会推薦論文(2009.3)

記事の分類: 

(1)
題目:パーツのレアリティを考慮したP2Pファイル共有手法CASの提案
著者:松本 敬、遠藤 伶、高木 建士,重野 寛(慶應大)
理由:
本論文は,P2Pファイル共有においてパーツ収集効率を上げるためのパーツの
レアリティを考慮したP2Pファイル共有手法CAS(Carrot and Stick)を提案している.
提案手法はレアリティ問題の原因であるパーツの初期分散速度とピア離脱の2点に
対処するものであり,シミュレーションによりその有効性が示されている.本論文の
有効性は明白であり,推薦に値する.

DPSワークショップ2008推薦論文(2008.12)

記事の分類: 

(1)
題目: Gigabit Ethernetカメラを利用した超高精細全方位映像システム
著者:大葛広和、佐藤洋介(岩手県立大学)、米田裕也(アイソニック)、
橋本浩二、柴田義孝(岩手県立大学)
理由:
本論文は,特殊なカメラを用いて全方位映像を超高解像度で取り込み実
時間処理することにより,広い視野範囲を提供するTV会議システムを実現する
方法を提案している.実際にGigabit EthernetカメラにPALレンズを装着した高
解像度全方位カメラと全方位ミドルウェアを構築し,これをもとにTV会議シス
テムを実装し,様々な出力解像度に対する性能評価を行っている.従来のTV会
議システムの視野範囲の狭さを補い,これまで適用が難しかった遠隔医療アプ
リケーション等への適用も可能にする提案システムの意義は大きく,推薦に値
する.

(2)
題目: Design and Implementation of Adaptive Communication Mechanism
for Ubiquitous Multiagent Systems
著者:Taishi Ito, Hideyuki Takahashi, Takuo Suganuma, Norio Shiratori
(Tohoku Univ)
理由:
本論文は,マルチエージェントシステムにおいて適応的に通信方式を切
り替える機構を提案し,提案機構の実装と評価について議論している.マルチ
エージェントシステムでは,アプリケーションが発生する通信フローとの特性
や,ネットワーク環境自体の特性が状況に応じて変化するため,提案機構の重
要性は非常に高い.そのため,提案機構が当該研究分野の今後の発展に寄与す
る点が大きいことから,推薦に値するものと判断した.

第137回DPS研究会推薦論文(2008.11)

記事の分類: 

(1)
題目:異なる正多角形セルを用いたアドホックルーティング手法
著者:薤澤 達也, 桧垣 博章(電機大)
理 由:
アドホックネットワークにおける多角形セルを用いて空間を分割することによる効率的な
経路制御について提案している。従来は、無線通信範囲を管理するために正方形や長方形
で空間分割を行うのに対し、提案手法では、効率的に空間分割を行う三角形セルと六角形
セルを提案している。任意の2地点間への通信に要するホップ数が従来手法と比べて小さく
なることや、経路の安定性などを評価している。この技術は、センサネットワークなどの
ユビキタスネットワークや、位置情報サービスへの応用などが期待できる重要なものであ
り、シンプルかつ有用性の高い手法を考案している本論文は推薦に値する。

第136回DPS研究会推薦論文(2008.9)

記事の分類: 

(1)
題目: ボロノイ領域を均一化するドロネーオーバレイネットワークの階層化手法
著者: 小西佑治,寺西裕一,春本 要,竹内 亨(阪大),下條真司(NICT),西尾章治郎(阪大)
理由:
本論文は,広域にわたるセンサ情報を効率的に収集するための階層化ドロネーオーバレイ
ネットワークの構成手法を提案している.提案手法は,各ピアの保持する情報からピアの
分布密度を推測し,確率的にボロノイ領域を均一化するオーバレイ階層を生成するもので
あり,幾何学的なモデルを使いて数学的に手法の利点が示されている.本手法は今後様々
なアプリケーションへの応用が期待でき,有用性も高いと考えられ推薦に値する.

第134回DPS研究会推薦論文(2008.3)

記事の分類: 

(1)
題目: オーバレイネットワーク環境におけるモビリティを考慮したID/Locator解決手法
著者: 吉田 幹(BBR)、寺西裕一、下條真司(大阪大)
理由:
本論文は,オーバレイネットワークにおいてノードの ID と接続位置を示す Locator を
分離するための機構を提案している.提案手法は,ID に基づきルーティングを行なう
ID Transport 層と IP アドレス等の Locator により隣接ノードとの通信を行なう
Locator Transport 層とでメッセージ転送を行なう.本手法はオーバレイネットワークに
おけるネームサーバ不要化,高速なハンドオーバ,可能複数の物理ネットワークを跨った
透過的通信などを実現する実用的手法として有用性が高いと考えられ,推薦に値する.

(2)
題目: P2Pシステムにおけるブルームフィルタを利用したトポロジ構築手法の提案
著者: 高橋佑典(大阪大)、泉 泰介(名古屋工業大)、角川裕次、増澤利光(大阪大)
理由:
本論文は,ブルームフィルタを利用した検索に適したオーバレイネットワークを構築する
手法,および,構築したネットワークを利用した問合せ転送手法を提案している.提案
された手法により,少ないコストで構築したトポロジ上で大域的な情報を参照せず,局所的
な情報を参照するだけで十分効率的な検索が実現できることを示している.本論文の
手法は,ブルームフィルタを問合せ転送の手掛り,および,ピアの位置の見当をつける
ために用いており,オーバレイネットワーク構成手法として興味深いだけでなく,有用性
としても高いと考えられ,推薦に値する.

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