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第162回DPS研究会推薦論文(2015.3)
【推薦論文1】
* 題目:
NLOS混在環境における無線センサネットワークの集約型自己組織化ノード位置推定方式
* 著者:
高島 優斗,北之馬 貴正,安達 直世,滝沢 泰久(関西大)
* 推薦理由:
本論文では,空間内の障害物による見通し外 (NLOS: Non-Line-Of-Sight) 混在環境にお
けるセンサノード位置推定手法の性能向上に関する報告が行われている。具体的には,
著者らがこれまでに提案している,自己組織化マップを基にしたセンサノード位置推定方
式 (SOL: Self-Organizing Localization) に対し,隣接ノード情報をクラウド環境へ集
約する集約型 SOL を提案し,それによって位置推定精度の向上および通信量の削減を達
成したとしている。センサノードの位置推定は重要な課題であり,かつ,センサネット
ワークとクラウドコンピューティングとを結びつける手法は興味深い。また,シミュレ
ーションによる評価によって,従来手法に対する優位性も示している。これらより,推
薦に値すると考えられる。
【推薦論文2】
* 題目:
歩行者群の近接関係の時系列データに基づくモバイル端末の移動軌跡同定
* 著者:
樋口 雄大,山口 弘純,東野 輝夫(大阪大)
* 推薦理由:
本論文では,著者らがこれまでに提案している,レーザ測域スキャナによるトラッキン
グおよび Bluetooth によるアドホック通信を用いた屋内測位システムを応用した,屋
内での歩行者群の移動軌跡を同定する手法について提案している。歩行者の移動軌跡は
さまざまなアプリケーションに利用できる可能性があるとともに,Bluetooth による計
測に参加する歩行者の数が少ない場合でも高い精度で歩行軌跡の同定を行える本手法は
大変興味深いものである。さらに,シミュレーションによって歩行軌跡の同定精度につ
いての評価を行うとともに,フィールド実験による検証においても高い精度が実現でき
ることを改めて示しており,有用性についても評価できる。以上より,本論文が推薦論
文としてふさわしいものであると考える。
- 参照(2862)