(1)
題目: 密な基地局群の無線相互干渉調停のための空間分割スケジューリング技術
著者: 山口 弘純, 東野 輝夫 (阪大), 浦山 博史, 梅原 茂樹, 山田 雅也 (住友電気工業), 前野 誉, 高井 峰生 (スペースタイムエンジニアリング)
理由:
本論文では、無線基地局が密に設置されたり、将来的に追加設置されていくよ
うな地理空間環境において、無線資源の高い利用効率と、資源管理の容易性を
ともに達成する空間再利用型時分割多重アクセス(STDMA)スケジューリングアル
ゴリズムを提案している。本研究は、領域間の干渉を最小化する最適化問題と
して問題を定式化し、これを解くアルゴリズムを提案したうえで、実環境での
有用性を評価しており、高度なアルゴリズムでありながら実用性が高く、実用
化が期待できる。以上より本論文は推薦に値する。
(2)
題目: 空間連続データに適したモデル駆動型 P2P ネットワークの設計
著者: 牛久保 辰典, 斉藤 裕樹 (電機大), 戸辺 義人 (青山学院大), 鉄谷 信二 (電機大)
理由:
本論文では、センサネットワークよる空間連続データの分散測定を行う際に、
データの中間表現を行うモデル表現レイヤを構築し、統計モデルを元にした
空間連続データの管理を実現することで、指定された精度を保ちつつ、伝送
データを削減するモデル駆動型P2Pネットワークを提案している。提案手法は、
統計モデルを導入したセンサデータの処理を行うところに特徴があり、センサ
ネットワークにおけるデータ処理技術の向上に貢献する提案である。以上より
本論文は推薦に値する。
(3)
題目: 停止を伴うユーザの移動経路を考慮したダミーによる位置曖昧化手法
著者: 加藤 諒, 岩田 麻佑, 原 隆浩, 鈴木 晃祥 (阪大), 荒瀬 由紀, Xing Xie (マイクロソフトリサーチアジア), 西尾 章治郎 (阪大)
理由:
本論文では、ユーザ位置情報を利用した位置情報サービスにおいて、ユーザの
住所などの個人情報の露見を防ぐことを目的として、ユーザの移動時にダミー
の位置情報を生成するユーザ位置曖昧化手法を提案している。現在広く普及し
ている位置情報サービスに関わる重大な問題を扱っており、実用化が大きく期
待される技術である。以上より本論文は推薦に値する。